結婚の歴史〜室町時代編〜

室町時代以降、嫁取婚・嫁入婚が主流になりましたが、これは史料にはっきりと残っている貴族の話で、史料に残っていない庶民の結婚については狂言の中の婚姻の描写が貴重な庶民の婚姻の史料でした。
また、史料に「嫁入」「嫁取」という表現が出てきますが、費用負担の主体がどちらかによって使い分け るのが基本であり、新郎の家が費用負担する婚姻は「嫁 取」、新婦の家が費用負担する場合は「嫁入」と言われて います。
嫁取婚における居住形態ですが、まず公家に関しては以前の記事で触れたように、中世後期には同一敷地別棟、 同棟での二世代同居も見られるようになります。 ただし台所は別で、食事までともにする同一家屋二世代同居は、まだ一般的とは言いがたい状況だったと考えられます。
嫁取婚と夫方居住がほぼす べての階層で浸透したのが室町時代で、女性の地位の歴史的低下の要因がこの室町時代に確認できるということになります。

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